物欲、というのは不思議なもので。
収納熱
雑誌の表紙に “収納特集” とあればかじりついて読んでいた私。
掲載されている方の家族構成から、小さな文字で書かれた説明書きまで、隅から隅まで熟読していました。
真似できそうなものはないか。
今より使い易い収納方法はないか。
綺麗に並んだファイルボックス。
ジャンル別に仕分け管理された取り扱い説明書。
物のひとつひとつに “住所” があって、何がどこにあるかは一目瞭然な引き出しの中。
あぁ、こわい。
あんなに夢中だったのに、もう何も興味が沸かない自分が怖い。
無印良品
収納に目覚めるまで。
新婚さんだった時代。
無印良品で収納用品を買うことはほとんどありませんでした。
シンプルなやつ。
シンプルで高いやつ。
なんでファイルボックスごときに800円もかけるのか。
なぜバスケットごときに3000円もかけるのか。
収納する道具にお金をかけるということが、全く理解ができませんでした。
それが、収納に興味を持った途端、そのファイルボックスがとても魅力的に思えてならなくなりました。
このボックスを、このバスケットを。
何個も買って、並べたらスッキリする。
生活感をなくせる。
おしゃれになる。
特に収納に困っていない時でも、ついつい『これ、つかえるかも!』なんてウキウキしながら店内を徘徊してしまう自分がいました。
100均
安易に手を出しやすい100均商品。
まとめ買いも何回もしました。
4個買っても432円。
なんとハードルの低いこと…。
同じケースにすれば見栄えがいい。
これ、無印に似てる。
使えそうだから、とりあえず試しに1個買ってみよう。
違う。これ、絶対まちがってる。
収納したい物のサイズに合わせてケースを買うのではなく、『この引き出しにぴったりなケース』をみつけて、『そこに物を配置していく』という方法をするようになりました。
なにかこのケースに入れられるものは?と部屋を探してみたり。
違う。これ、絶対まちがってる。
質の悪いことに、失敗しても罪悪感があまりないのです。
だって安いんだもの。
失ったお金に気付きにくいのです。
私は総額いくら、無駄にしてきたのでしょう。
物を減らす
断捨離ブーム到来。
しっかり世間の流行に流されている自分。
いかに上手に収納するか、という考えから、
必要最低限な物量に減らす、という考えへ移行していきました。
減らすことに目を向け始めると、あんなに魅力的だったボックスやケースに興味が沸かなくなってきました。
特集ページを見ても真似ようという気にならないのです。
収納ケースがなくても、仕分けグッズがなくても、物が少なければ見渡せます。
減らして、減らして、積み重なっていく収納ケースたち…。
あんなに欲していた収納グッズが、不要な物へと変わっていくのでした。
おわりに
今だって大好きです。無印良品。
壁に付けられる棚は買い足したいと思っているくらいだし、ポリプロピレンの小型ケースはとても便利。
靴下だって愛用しています。
100均にも良く足を運びます。
ただ、収納用品を極力増やさないようにしようと思います。
もし世の中に収納ブームがきたら。
物は減らすんじゃない。
たくさん持って綺麗にしまう、これこそ豊かな暮らし!
なんて言われたら私は物を求めて街を徘徊してしまうのでしょうか。
そんなことはない。と思いたい。
物が少ないスッキリした暮らし。
その快適さを実感し始めている、今。
今のうちに。
この快適さを完全に自分のものにして、流されないようにしっかり根を張りたい。
無駄なものにお金をかけないように。
世間がマキシマムな風をふかし始めても、揺るがぬ心を育てたいと思います。
本日はここまで。
ランキングに参加しています。
クリックいただけたら励みになります。
◎参加トラコミュ◎